(6)冬暖かく、夏涼しくする工夫①
a)断熱材:正体は静止乾燥空気です。
身近にある安価な物質の中で熱伝導率が一番低いのは空気です。乾燥空気の熱伝導率を1とすると、乾燥木材は6倍、ガラスは22倍、アルミニウムは9,800倍になります。
断熱材はグラスウール、セルロースファイバー、ウッドファイバーなどいろいろありますが、どれもが静止乾燥空気層を形成しています。
アルミサッシの内側に障子があると、その間に静止空気層が出来て、断熱材の役目をします。カーテンの場合はきちんと床まで届いていて、上部がカーテンボックスなどで塞がれている場合は断熱性能が期待できます。そうでない場合は空気が対流してしまうので断熱効果が小さくなります。
b)洗面所・浴室・トイレ
洗面所、トイレは小型の暖房機が安価であるから比較的温めることは容易いです。しかし、浴室は水を使う場所なので軽々と暖房機を設置する訳にも行きません。通常は浴室専用暖房機を使います。ハロゲンランプにより、すぐ温まり、浴槽で十分に温まった身体には不要だと思えばすぐ消すことができます。ランプによる輻射暖房です。
また、すぐにできる方法として、シャワーでお湯張りがあります。高い位置に設置したシャワーから浴槽へお湯を張ることで、浴室全体を温めることでヒートショックを予防しましょう。
c)外側の外付けロールスクリーン(夏の対策)
夏の陽射しは強く、伝統的な住まいの南側の窓には深い軒の屋根がありました。現代では雨よけの庇だけですから、日射を遮らなくてはなりません。室内のカーテンは窓との間の空気が暖まり対流し、カーテン自体の暖まった輻射熱により、室内が暖まってしまいます。太陽熱の70%以上が室内に入ります。外付けロールスクリーンを設置することで、深い軒と同様に室内への熱の侵入を防具効果が大きいです。
f)室内側のロールスクリーン
(冬の対策)冬は太陽高度が低いため、深い軒であっても陽射しを室内に取り込むことができます。窓の室内側にロールスクリーンを設置すると、設置しない時よりも多くの熱を取り込むことができます。カーテンの場合は室内が暗くなってしまいますが、ロールスクリーンは遮光性が低いので暗くなりません
g)外付けブラインド
外付けブラインドはブラインドのように羽が可動するアルミ製シャッターと考えてください。夏は羽で陽射しを遮りながら明るさを確保することができます。冬は陽射しを取り入れながら視線を遮ることができます。耐風性のもあるので日常使いでは問題ありません。
あたらしい快適な住まい〜冬暖かく、夏涼しくする [5]
あたらしい快適な住まい〜冬暖かく、夏涼しくする [3]
MI6918KU邸