温熱環境性能を追求すると、壁より窓の断熱性能が低いため、窓を小さくするすれば良いと思うかもしれません。しかし、窓の性能もトリプルガラスなどにより格段に改善されています。特に寒い冬の陽射しは暖房に利用しないのはもったいないことです。一方夏の陽射しは熱く眩しく避けなければなりません。元来日本の住宅は建物全体を深い庇で陽射しを遮ってきましたが、窓の上の庇だけで遮るのは難しく、庭木などを利用しなければなりません。
この住宅では外付けブラインドを使い、夏と冬の陽射しをコントロールしています。室内のブラインドでは温度が上昇してしまいますが、外付けブラインドを下げると室内温度が下がるのを体感できます。
また1階と2階に1台ずつ遠赤外線による常時輻射冷暖房設備を設置して、住まい全体がほぼ同じ温度になるようにしています。熱交換型換気扇で各部屋に新鮮な空気を積極邸に送っているので常に爽やかな室内になります。1階床下に室内の空気を通し熱交換型換気扇から外部へ排出しているので、床のフローリングが冷たく感じることはありません。
冷暖房のために部屋を区切る必要がないので、間仕切りも必要最小限位しています。その代わりに各自専用の納戸を用意しています。日本の家族は気配を重視したプライバシーの緩い関係性の中で育まれてきました。
- 場所
- 埼玉県三郷市
- 用途
- 戸建住宅
- 種別
- 新築
- 構造
- W造2階建
- 敷地
- 121㎡
- 規模
- 114㎡
- 竣工
- 2018年10月