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暮らし木造温熱環境
あたらしい快適な住まい〜冬暖かく、夏涼しくする [6]

(8)冷暖房設備について
2011年の東日本大震災以降エネルギーの使用量を抑えることに関心が集まっています。結果的には地球環境に優しく持続可能性を追求した社会の実現に向けても良い効果が期待されます。
住まいの断熱性を高めて冷暖房のエネルギー使用量を減らすことができれば、快適で健康な暮らしの実現ばかりでなく、日々のランニングコストの削減にもなります。
見方を変えれば、電力会社やガス会社へ月々支払うコストは借り入れたお金の返済に似ていますから、ローン返済が少ないとも考えられます。断熱改修はイニシャルコスト(初期にかかる建設コストなど)は掛かりますが、快適で健康な暮らしのためにはランニングコストとが抑えられ、もしかしたら健康面での医療費も押さえらればかなりコストパフォーマンスが良いと言えます。
a)家の燃費
ドイツでは2008年からエネルギーパス制度が始まり、フランス、イギリスでも同様な制度が始まっています。
車の燃費が1リットルのガソリンで何キロメートル走れるかと同じで、家のエネルギーを1年間にどの位消費(GJ)するかを示すものが家の燃費すなわちエネルギーパス制度と言います。家のえ場合の消費は一次エネルギーに換算して計算します。「一次エネルギー」は自然界に存在するエネルギー即ち、石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料と水力、風力、太陽、地熱などの自然エネルギーのことです。電気、灯油、都市ガス等は「二次エネルギー」になります。
日本でも2020年から日本エネルギーパス制度が始まります。住宅を買う場合でも、家の評価としてどれだけ燃費性能が良いかが問われてくるようになりになるでしょう
b)ヒートポンプ冷暖房機
ヒートポンプ式エアコンの効率を表す指標としてCOPとAPFがあります。現在はAPFに統一されていますが、APF3ということは1次エネルギー1に対して3倍の効率の良い働きをするということです。
c)電熱線のヒーター
電熱線のヒーターは一次エネルギー1に対して1の効率しかありませんが、現在、ヒートポンプではAPFが4~6の製品も多く、それだけエネルギーの使用率が少なく、冷暖房機の優等生です。
日本の住まいは断熱性能は2013年の最新基準でも世界的に見ればかなり低い基準ですし、日本で使われているヒートポンプ式エアコンは住まいを暖めるのではなく、人を暖めるように考えられています。断熱性能が良い世界基準の住まいでは現在のエアコンの能力の1/4の性能で十分です。40坪の住まいであれば、4.0KWのエアコン1台で暖房が足りてしまいます。
d)対流式冷暖房機
壁掛けエアコンは室外機(ヒートポンプ)から壁掛けのファンを経て暖かさを空気で送る対流式です。空気は容積比熱が小さく断熱材として使用されているものです。ですので空気は多くの熱エネルギーを運ぶことはできないため、直接身体へ暖かさを吹き付けることになります。扇風機の風に長く当たっていると体調を崩します。床暖房でも直接床に寝るとやはり、体が不調になります。体の表面を直接暖めたり冷やしたりすることは人の生体の営みとは相入れないところがあります。また、この対流方式が普及してから50年も経っていないでしょう。それまでの長い期間は、ストーブ、火鉢そして炬燵で過ごしてきました。もっと遡れば囲炉裏もあります。これらは焚き火も含めて遠赤外線による暖房でつまり輻射暖房機です。温水を通して暖める暖房機のラジエターは英語のRADIATIONが語源で日本語に直すと輻射です。。その点ではまだまだ壁掛けエアコン暖房は実証試験期間かもしれません。

あたらしい快適な住まい〜冬暖かく、夏涼しくする [7]
あたらしい快適な住まい〜冬暖かく、夏涼しくする [5]
MI6015YO邸

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