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暮らし木造温熱環境
あたらしい快適な住まい〜冬暖かく、夏涼しくする [2]

(4)これからの住まい
これからの住まいは人に優しく、また持続可能性を追求したものでなくてはなりません。ここでは暖かく涼しく、長持ちする住まいに的を絞ってお話します。
a)高断熱・高気密・計画換気
冬を暖かく過ごすには①床、壁そして屋根等の全体の断熱性能を高めれば良いでしょう。しかし、夏の室内は一度暖まったらなかなか涼しくなりません。それを解決するには②夏の陽射しを遮りながら、屋根の断熱性能を更に高める必要があります。しかし、このように断熱性能を高くしても、冬に隙間風(漏気)があると、床から冷気が入り天井から暖気が逃げるので、温度差のある不快な室内になります。それ故に③住まいの床レベルの気密性を高めなければならなくなります。そうすると隙間風は少なくなりますが新鮮な空気が室内に入り難くなるために④換気が必要になります。
また人は汗をかきます。一晩に一人コップ一杯と言われています。食事の煮炊きもしますから、室内に湿気が多く発生します。冬には室内の湿気が壁や屋根から乾燥した外気側へ移動します。夏には高温多湿の外気からクーラーで冷やされ湿度が低くなった室内側へ湿気が移動します。湿気が壁体内等へ入ると、冬は外壁側で、夏には内壁側で結露が発生して木材を腐らせてしまいます。そうさせないためには⑤住まい全体の適正な気密性を考える必要があります。
このように快適な住まいは断熱性を高めるだけではなく、漏気や結露防止のための適正な気密そして室内に新鮮な空気を取り入れる計画換気が重要です。
b)持続可能性(サスティナビリティ)
いきなり話は大きくなりますが、国際連合では経済成長、社会包摂、そして環境保護の調和をはかるために、「貧困と飢餓撲滅」、「地球を破壊から守る」、「豊かな暮らし」「平和的、公正かつ包括的な社会」等を柱とした17の目標からなる「持続可能な開発目標SDGs」を2015年に採択しています。そして目標11.3に2030年までに人間居住計画・管理能力を強化するとあります。
それ身近な言葉で表せば、環境負荷が少なく肌触りの良い自然素材を活かし、高い断熱気密性能をベースに、太陽や風をバランスよく取り込み、少ないエネルギーでも気持ちよく健康的に暮らせる住まいとなり、これからの住まいの重要なテーマです。

あたらしい快適な住まい〜冬暖かく、夏涼しくす-3
あたらし快適な住まい〜冬暖かく、夏涼しく-1
MI5212TA邸

 

 

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