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暮らし
本棚考

本棚とは(ブックシェルフ)

本棚は側板と側板の間に棚板を渡し、それだけでは歪んでしまうのでそれを補うように裏板を付けて箱のようにして安定した形にするのが基本。背表紙が見えるように側板と側板の間に隙間なく本を入れる。側板や背面そして棚板の全てを無垢材で作ろうとすると自重が増大するので、軽い合板のフラッシュで作るのが多い。無垢材に見せるために側板や棚板の小口に厚みのある無垢材を貼ることもある。

飾り棚とは(オープンラック)

飾り棚は物を鑑賞しやすいようにオープンラックと言われる柱と梁(横材)で組んで棚板を載せるのが通常である。この場合には柱と横材の接合強度があるスチールで作られることが多い。棚板は集成材か合板でも良い。

無垢材の良さとは

樹脂分が多い無垢材は経年と共に自然の艶が出て良くなる。塗装は汚れやささくれ防止のために木材に含浸する蜜蝋ワックスなど自然塗料で仕上げる。合板では表面に薄い紙のような無垢シートを貼るが、樹脂分がないので経年とともにカサカサな感じになるので塗膜のある塗装で仕上げる。よく3ミリの突き板を貼れば樹脂分があり艶が出ると言われるけれど、経験的にはやはり表面がカサカサになる。また、光が当たっても無垢材は美しい。塗装で艶を出す合板は均一に輝いていて珪藻土や漆喰の壁とは相性が良くない。最後は手の感触だ。無垢材は触れた人の温もりが伝わり、冷たい合板にはない良さがある。

無垢材の問題点とは

無垢材は季節により2~3ミリぐらいの伸縮があり、室内であっても夏と冬では湿度が60%から35%くらい変化するのでどうしても伸縮してしまう。また板の反りも生ずる。乾燥が過ぎると割れが入ってしまうこともある。伸縮や反りを強制的に止めようとせずに、動いても良いように止める工夫が大切なこと。

また、無垢材の家具は重量があり、搬入時に人手だけでは無理で重機が必要になる場合もある。

オープンラック型のデザイン

無垢材の強度を生かして最小限の寸法の柱と梁で組立てるシンプルな構造のオープンラック型を考える。狙いは本棚にもなり、飾り棚など多目的に使えること。裏板がなく壁が見え、側板もく圧迫感がないからシンプルな部屋によく似合う。方針が固まればデザインは比較的短時間でまとめることが出来た。その後製作に入ると様々な問題が浮上する。

3Dデザイン図

3Dデザイン図

家具職人の技

鴨川に家具工房を開いて自ら「木の削り屋」と言っているY氏に依頼する。木の癖を削ることで取り除いていくと考えると納得できる。しかし、実際にそれぞれの木をどのように組めば良いか解決するのに時間を要した。

今回はY氏とコストと色合いそして木目を考慮してヨーロピアンビーチ材に決定した。また抽斗などの取っ手に金属を使わないこととした。塗装は含浸する自然塗料アウロとした。またこの材は気乾比重が0.72でシンプルなデザインの割りには重量がある。搬入も床から天井までの大きさがあり、柱を均等に垂直に建てるには同行した大工さんの技量に頼らなければならなかった。

木の組み方

木の組み方

組み立て1

組み立て1

組み立て2

組み立て2

完成

幅が約3mと90cmで奥行き39cmのオープンラック型の本棚と1.5m幅の机が無事設置された。

壁一面の本棚では材質、質感そしてデザインにより部屋の雰囲気は随分変わるものである。

本の出し入れも使いやすく、飾りものを考えるのが楽しい家具になった。

ちなみに、左手のオレンジ色の機器は輻射冷暖房機である。

設置1

設置1

本棚と机

本棚と机

机

完成

完成

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